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私の思い

歴史的背景
1973年の夏、私は祖谷で一軒の茅葺き屋根の民家を購入し、その家の屋号を「篪庵」(ちいおり=”笛の草屋”)と名付けました。それから36年、 屋根の葺き替えを経て、さまざまな活動をしてきました。多くの人が篪庵を訪れ、谷間から湧き上がる霧に感動し、祖谷の人々の優しさに心癒され、そして煙に燻され黒光りする座板と柱に囲まれたイロリ端に座り、篪庵の神秘的な空間を楽しんできました。

しかし、その間、二つの変化がありました。第一の変化は、僻地祖谷の過疎化です。 人口が減り、農業と林業が衰え、公共工事以外に収入がなくなり、そのため自然と風景が打撃をうけました。第二は、築300年の篪庵の劣化です。この事態に対応するため、2006年に特定非営利活動法人(NPO)として「篪庵トラスト」を設立しました。


新時代に入る
約二年前から篪庵の活動が活発になり、訪れる人が増えました。また、祖谷も三好市と合併し、行政と大歩危(おおぼけ)・祖谷の旅館組合が密接な関係を持つようになりました。その中で篪庵も大きく飛躍しようとしています。

一方、全国的に新しい風が立ち、自然と文化に優しい観光は地方活性化の「希望」であるという認識が広まってきました。篪庵を中心に祖谷を活性化できる時期が到来したのです。

三つの使命
篪庵トラストに対する期待が大きくなり、我々には下記の三つの使命が与えられています。

1.篪庵の保全
現在の雨漏り状況から判断し、遅くとも再来年には再度屋根の葺き替をしなければなりません。その為に今から準備(茅、竹、藁、縄などを大量に集めて保管)のための費用と葺き替え費用が必要となります。

また、家の傾きが深刻な状態になり、それを直すためには根本的な改造をし、同時に設備(電気配線や水回り、地震対策、トイレ、風呂、厨房など)を改善、あるいは新設しなければなりません。

2.祖谷の活性化
篪庵のある釣井(つるい)集落には、篪庵以外に宿泊施設がありません。そのため、古民家を改造するか、あるいは 祖谷の文化と自然に調和した新しい建物を作らなければなりません。 三好市と手を携えて、祖谷全体に古民家再生、畑の復活、農業の新しい形態、公共事業の見直しなどを行い、祖谷を活性化したいと思います。

3.日本全国への広がり
最後の狙い、それが日本全国への広がりです。 全国にアピールし、各地で、日本の自然を愛する人たち、またはNPOや自治体と協力して、再生事業を展開していきたいと考えています。

運営基盤の確立
しかし篪庵トラストは依然として、その使命を果たす資金が不足しています。NPOの財政を固め、運営基盤を強化する必要があります。日常業務を営むマネージャーの給料や事務経費を賄う財源を作らなければなりません。もちろん、会費や寄付金以外の財源も充実させて参ります。 自主事業としてのイベント企画運営、 篪庵での生活体験の受け入れ、 祖谷の特色を生かしたグッズ販売(祖谷のお茶など)も検討しております。 また、地域ぐるみの特別事業のためには積極的に各種助成金の申請をして参ります。

篪庵トラストの「夢」
上記の三つの使命が達成された時、私の長年の夢が実現に向かいます。
「日本各地の美しい田舎を健全な形で後世に残す。」
これが、私の夢であり、我々篪庵トラストの最終的な使命です。

篪庵は、もはや「私の家」ではありません。篪庵トラストという非営利団体に委託し、篪庵の夢に賛同して頂ける多くの人々のものです。「生きている世界遺産」として全世界の人々のものでもあります。そのため、日本国内外を問わず、皆様にご支援を依頼しています。

皆様のご支援を心よりお願い申し上げます。




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